雨の日、ダラダラ

雨が降っている日はどうしても外出したくなくなってしまう。
個人的には人類の大半がそうなんだろうと思っているものの、やはり広い世の中には雨が降ればウキウキワクワクしてくる河童や深き者どものような気性の御仁もおられるのだろう。
幸いに、私は『雨の日はウキウキワクワクしますか?』などと街頭インタビューを実施したこともないので、その存在を考慮する必要はない。

とにかく雨であればそれだけで憂鬱になって、億劫になるのだけど、それでも雨の日に外から帰ってきて家に入る瞬間は割と好きなのだ。
はじめから外出せず、家にいるときと違って玄関を閉めたときに「ふう」と疲労からのため息と安心があわさったような息が出て、倦怠感が押し寄せる。
外は雨が降っており、家には自分しかいない。
これが初冬の夕方五時過ぎならなお良い。
薄ら寒くて、傘を差してもなお全身が湿っている。
昔、テレビCMでお茶漬けだったか、女子高生が雨の日にやはり薄暗い自宅にずぶ濡れで戻ってくる映像があった。
私はそのCMが大好きで、テレビで流れる度にじっと見ていた。

しかし、それでも雨の日は家にいるのが一番いい。
誰もいない平日の自宅で、外を騒がす雨音を聞きながら目を閉じるのだ。
今日はそうやって寝ている。
仕事なんてしったことか。